【クラリネット八重奏】スピリット・サンクチュアリ/篠塚祐伴
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本作は、真岡ウインドオーケストラ委嘱作品として作曲された、三部形式[A B A]の作品。
スピリット(supirit)=精神
サンクチュアリ(sanctuary)=聖域、領域
と本作では定義づけし、作曲に際し組み合わせた造語が「スピリット・サンクチュアリ」である。
東洋の風をほのかに感じさせるメロディに支配された楽曲で、架空の精神世界を表したかのような作品となっている。
冒頭に紡がれる「孤独や不安」を感じさせる独奏に続き、練習番号【F】までを三部形式 A 部分とする。推進力を持った速度と旋律でありながら、調性・拍子・リズム・音量など様々な要素のどこかに不安定さを持たせており、外的な要因から受けるストレスに抗っている様子が伺える。
練習番号【G】から三部形式 B 部分へと場面を移す。ゆったりとした速度に乗った美しいメロディとハーモニーが、領域内の安寧(秩序が保たれること)を感じさせる。時折顔を覗かせる A の動機をきっかけに、練習番号【M】から再度速度を上げ、ダイナミクスの変化と感情の起伏が連動しているかのようにテンションを高めてクライマックスへを向かう。
全体を通して、自分の居場所を守ろうとする心の葛藤と安らぎの間を行き来し、「不安定の中の安定」とも言えるなんとも形容し難い心情を、まさに「スピリット・サンクチュアリ」として体現している。
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スピリット・サンクチュアリ / 篠塚祐伴( 室内楽シリーズ 010)
編成:クラリネット八重奏
・E♭クラリネット
・B♭クラリネット1.2.3.4
・アルトクラリネット
・バスクラリネット
・コントラアルトクラリネット
演奏時間:4分30秒
難易度:5 ★★★★★